ウエスコジャパン各店のスタッフ達が、それぞれの店頭からリアルタイムな情報を発信しています。

2017年6月8日木曜日

続 Repair "Staff Boots編"

前回からの更新が遅れてしまいましたが、ここからいよいよ"RAPID-E"というウエスコブーツ造りには欠かせない旧いステッチャーを使用して、ブーツ完成までにどのような工程を踏んでいるのか、作業風景などを織り交ぜながらリペアの中盤〜完成までをご紹介していきます!

先ず、この特殊なステッチャー(ミシン)は今では生産されていない極めて稀少なもので、ウエスコブーツを製作するにあたってこれが無ければ成り立たない、まさに重要な役割を果たしているミシンです。トップカバーを開けると4つのフライホイールが搭載され、まるでエンジンのような造形が見てとれます。常日頃から良いコンディションを保つ必要があるため、メンテナンスやオイルでの潤滑は必要不可欠で一カ所でも不備があるとスムーズな動きをしてくれません。ウエスコジャパンリペア工房では、ミシンに付属するアタッチメントやガイドの厚みなども、お預かりしたリペアブーツに合わせて知識と経験、技術を持った職人が微調整を加えながら使い分けています。
潤滑、ステッチカラーの変更、アタッチメントの調整、動作確認などを行なった後、仕上がりイメージを膨らませながらステッチャーで一気にミッドソールやアウトソールを縫い上げていきます。アウトソールまで貫通したヘビーステッチには熱で溶かした固形ワックスがしっかりと浸透していて、縫製を終えるとそのワックスが冷え固まって釘のような役割を果たすうえ、高い防水性を持たせます。強度もしっかりと維持されて、履き込むことによってさらに馴染みも出てきます。

よく「シングルステッチやダブルステッチの違いはどこで決まるの?」とお問い合わせを頂くことが多いですが、それはオーダー時に選択したソールの種類で決まります。
#100、#100F、#100Honey、#430、#700、#705、#269はダブルステッチ仕様。
ワンピース構造のRaptor Sole、#1275、#232はシングルステッチ仕様といった感じでしょうか。
こちらは、ミッドソールの縫い上げのシーン。
当然、リペアでも始まり〜終わりまではラスト(木型)が入った状態で作業を進めていくわけですから、支える手にはそれなりの重量が掛かってきます。
ブーツの仕様によっては高さのあるものやヘビーデューティな組み合わせもあるので、そうなってくるとかなりの重さがあるものを手元で支えながら作業を行わなければなりません。
本国では、これらの作業は屈強な体と技術、経験を重ねた職人が主に担当しています。
そして、ここからはアウトソールの貼り付け&圧着の工程へと移ります。
ジョブマスターには、ウエスコオリジナルで新作として登場した『RAPTOR SOLE』をMalt Colorで装着することに。ロメオは変わらず#232 Vibram Soleを取り付けます。
リペア時に使用する圧着機は圧着部分が全て革で構成されているため、ブーツ本体にも優しい組み合わせといえますね。
と、ここでもある工夫をしているのはお分かりでしょうか?
ウエスコで取り扱うVibram Soleは全てソールパターンや形状に違いがあります。
それぞれのパターンに合わせて必要があればクッション材などを挟み込み、よりブーツの形に沿わせていきます。
貼り付けたソールは4種類に分けたグラインダーを使って成形します。
ペーパーの粗さは左から粗い、細かいの順で削り進め、じっくり形を整えていくのですが、この作業は特別なガイドもなく、職人の手作業一つで1足1足丁寧に仕上げていきます。
ウエスコジャパンリペア工房では、ただ削って綺麗に仕上げるのではなく、履き込まれたウエスコブーツとの雰囲気やバランスを第一に考えたリペアを心掛けています。

また、店内は本国と同じくショールームに併設されたリペア工房を備えており、タイミングが合えば今回ご紹介した様な作業風景を見ることもできます。
革とゴムを削る焦げた匂いにワックスとオイルの匂いが入り混ざり、独特な匂いが工房に広がる様子はアメリカのファクトリーでも同じように体感出来るもので、視覚だけでなく匂いや音といった部分までブーツメイキングを感じ取ることが出来ます。
そして、今回使用する機会のなかったこちらのマシンはエッジカラー(ソール側面)を塗った際に最終仕上げとしてコバ部分を磨き上げるもの。
写真を見てもわかるように染色したカラーによってバフを使い分けています。
左側はブラック、右側はブラウン。

最後に、ここまでブーツの中に収まっていたラスト(木型)を抜き、ブーツ内部の釘の飛び出しなどの確認後、ブーツの仕様に合わせたケア(オイルケアやブラッシング)を施しリペア完了となります。
新作RAPTOR SOLEを装着した"Jobmaster"と#232 Vibram Soleを装着した"Romeo"
今回の記事を通して様々な機械をご紹介してきましたが、これらはすべてウエスコジャパンリペアファクトリーでしか目にするこのできない、貴重なものばかりです。
ぜひ、ご来店の際はリペア工房にも目を向けてアメリカの息吹を全身で感じてみてください!

WESCO Osaka 戸髙

2 件のコメント:

  1. リペアの様子が分かる、とても興味深い内容ですね。
    大阪に行く機会があれば、ぜひお店にお邪魔したいですね。

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    1. コメントありがとうございます!
      お近くにいらした際は、是非お立ち寄りください。

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